Heinz Holliger : Pneuma【オリジナル版日本初演】
板倉康明: Renet dans le neuve【国立音楽大学委嘱作品世界初演】
Pierre Boulez : Répons
ピアノ、平井 皐、橋詰 香菜/ハープ 三浦麻葉/ウィブラフォン 若林侑花/
グロッケンシュピール 西村和/ツィンバロン 崎村潤子/エレクトロニクス 今井慎太郎/音響 片桐 健順
主催:国立音楽大学
企画:菊池幸夫川島素晴
制作:国立音楽大学演奏芸術センター
助成:公益財団法人ロームミュージックファンデーション
後援:特定非営利活動法人日本現代音楽協会、一般社団法人日本作曲家協議会
2005年より毎秋開催してきたシリーズで、現代音楽のマスターピース(聴き伝わるもの)を軸に、毎回、作曲教員による新作(聴き伝えるもの)を上演。第16回佐川吉男音楽賞《奨励賞》を受賞した2017年の公演は、ブーレーズ《レポン》改訂版日本初演を中心としたプログラムで、このように演奏系学生を中心に難曲や大曲に取り組む内容に加え、作曲系学生による実験音楽の演奏も交え、常に現代音楽界の話題となってきた。
2011年以来毎年本シリーズの指揮者である板倉康明の最終公演につき、集大成を意図した。
まずは12回の公演中、最も印象深い演目としてブーレーズ《レポン》を7年ぶりに再演する。本作は本来、管弦楽は客席中央、観客はそれを取り囲む配置となるが、今回はあえて管弦楽を舞台下に配置しての上演を行う。これはむしろ、より多くの観客が理想的な聴取環境を実現する方式(管弦楽を背後や横から聞く位置を排する)として、
積極的に選択したものである。
毎回設定している作曲学生枠は、通常指揮者を介さず行うが、2019年に上演したホリガー《プネウマ》だけは合同企画として板倉指揮で上演、現代音楽界の話題となった。そのときの上演は縮小編成版の日本初演だったが、今回はオリジナル版の日本初演となる。
本シリーズの柱は新作初演である。これを、近年旺盛な創作活動もこなす板倉康明自身の新作とし、クラリネット奏者でもある彼自身の「吹き振り」によって初演する。
ブーレーズホリガー、板倉康明。この3者を貫く共通点は「ミュジシャン・コンプレ(完全なる音楽家)」である。
指揮演奏、作曲、教育と、あらゆる観点で音楽的能力を発揮する人物への呼称によって本企画を象徴し、板倉康明との歩みの総決算を行うことで、理想的な音楽家像とは如何なるものかを提示する。
企画:川島素晴(国立音楽大学准教授)
東京藝術大学附属音楽高等学校を経て東京藝術大学音楽学部卒業。フランス政府給費留学生として渡仏し、パリ市立音楽院、パリ国立高等音楽院を卒業。故アンリエット・ピュイグーロジエ氏から深い薫陶を受け、現在の多彩な演奏活動の礎を築いた。クラリネット奏者として東京都交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団等と共演。1996年横浜の第三回神奈川芸術フェスティバルで西村朗作品により指揮デビュー。以後、現代作品を中心に、活発な指揮活動を行っている。これまでに、サントリー・サマーフェスティバル、サイトウ・キネン・フェスティバル松本、オーケストラアンサンブル金沢定期公演、プレゾンス音楽祭(フランス)、ミュージック・フロム・ジャパン(ニューヨーク)、現代音楽アスペクト(カーンフランス)等、国内外の音楽祭に招聰されている。指揮者としてのレパートリーは広範囲に渡り、特に現代作品の演奏には各方面から高い評価を得ている。2016年は、ボルドー・アキテーヌ国立管弦楽団定期公演を客演指揮、また、サントリー・サマーフェスティバルのプロデューサーを務め2公演の指揮を行った。2001年より東京シンフォニエッタ音楽監督就任。第18回中島健蔵音楽賞を受賞。1997年度、1999年度、2015年度日本音楽コンクール委員会特別賞を受賞。国立音楽大学客員教授。
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