新しいアルバム「DIVERTIMENTI – Marimba Alive! vol.2」がリリースされました。1997年7月5日に行われたコンサートのライブ録音です。小山和彦と横山菁児による2つのディベルティメントをフィーチャーしています。Apple Music、Google Play Music、Amazon などからデジタル版が購入可能です。1
プログラムは、バッハ以外は、すべてマリンバのために20世紀後半に書かれた音楽によって構成されています。
インゴルフ・ヘニング:「コンコルソ」(1990)
インゴルフ・ヘニング[Ingolf Henning (1931 – 2017) ] は、ドイツの作曲家です。 コンコルソ(Concorso)は、鋭敏な感受性に基づいて書かれた2台のマリンバのた曲で、 A-B-Aの3部形式になっており、連続する8分音符のパッセージの上を移動するアクセントによって駆動されていくAの部分が ちょっと和風な魅力的なメロディが展開する中間部を挟み込む形になっています。
(マリンバ:小田もゆる、崎村潤子)
- [1] コンコルソ
小山和彦:「マリンバのためのディベルティメント」(1996)
小山和彦 (1964 -) は日本の作曲家で、交響曲やピアノ協奏曲などの大規模な作品を制作しています。本作「ディベルティメント」2はマリンバのために書かれた多楽章による曲で、 作曲中にマリンバのテクニックに関して崎村潤子にいろいろ問い合わせをするなどしていることもあり、非常にマリンバ的な曲に仕上がっています。 全曲は5楽章からなっていますが、このリサイタルでは、1,2,3,5の4つの楽章が演奏されています。 (マリンバ:崎村潤子)
- [2] I. Moderato Giocoso
- [3] II. Con Moto
- [4] III. Moderato
- [5] V. Presto
J.B.スミス: 「In Light of Three」
J.B.スミス (J.B.Smith) はアメリカの作曲家で、マリンバのための曲を多数書いています。「In Light of Three」は2楽章よりなる作品で、叙情的な第1楽章と、変拍子でファンク風の第2楽章からなっています。 原曲はクラリネットとマリンバとテープのために書かれていますが、この演奏では、クラリネットをアルトサキソフォーン、マリンバのパートをマリンバの右手、テープのパートをマリンバの左手で演奏しています。
(サキソフォーン:金田直樹、マリンバ:崎村潤子)
- [6] I. Freely
- [7] II. Allegro
J.S.バッハ: 「無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調 BWV1008」
J.S.バッハ (1685 – 1750) が無伴奏チェロ組曲を書いたのはおそらく1717年から23年の間、ケーテンのカペルマイスターをしていた間と思われます。 マリンバの音域はチェロの音域と重なるので、この作品はしばしばマリンバでも演奏されます。この演奏でも、マリンバによって、チェロによる演奏3とはまた別の魅力が引き出されているのをお聞きいただけます。 (マリンバ:小田もゆる)
- [8] I. Prelude
- [9] II. Allemande
- [10] III. Courante
- [11] IV. Sarabande
- [12] V. Menuet
- [13] VI. Gigue
アリス・ゴメズ&マリリン・ライフ 「レインダンス」
アリス・ゴメズ (1960 – ) はアメリカの作曲家・打楽器演奏家で、ラテンアメリカ及びメキシコのインディアン音楽の影響を受けた作曲で国際的にも注目されています。一方、ライフは当時San Antonio交響楽団の打楽器奏者で、St. Mary大学等で教鞭をとっていました。この二人は共同で何曲かのマリンバのための曲を書いています。
この4本のマレットのための曲「レインダンス(雨乞いの踊り)」は、その魅惑的なメロディによって多くのマリンバ奏者によって演奏されています。
- [14] レインダンス
横山菁児:「2台のマリンバのためのディベルティメント《嬉遊曲》(1974)」
横山菁児 (1935 – 2017) は日本の作曲家で、「宇宙海賊キャプテンハーロック」や「聖闘士セイント星矢」のサウンド・トラックで知られています。
「2台のマリンバのためのディベルティメント〈嬉遊曲〉」(1974)は、草刈とも子と藤井睦子の両氏によって委嘱された作品で、アレグレット、アンダンテ、アレグロの3つの楽章からなっています。
- [15] I. Allegretto
- [16] II. Andante
- [17] III. Allegro