アストル・ピアソラという作曲家をご存知でしょうか?アルゼンチン出身で、パリでナディア・ブーランジェのもとで作曲を学んだ彼ですが、十分な収入を得て、人生の中で初めて自分の好きな曲をかけるようになったのは1980年、59歳になってからでした。この年、彼は野心的な多楽章曲を書き始めます。その中の1曲が『タンゴの歴史』です。『タンゴの歴史』は、フルートとギターのための4楽章からなる曲で、楽章ごとに30年の間隔をおいて、タンゴがどのように変遷してきたかを表しています。ピアソラ自身がプログラム・ノートを提供しています。その中から、第1楽章「売春宿 (Bordel 1900)」を、フルートの渡瀬英彦さんとのアンサンブルでお楽しみください。(曲目についての詳しい解説は、こちらをご参照ください。)